
(戯曲、サウンドインスタレーション / 2024)
静岡県浜松市を中心とした遠州地域の産業史の中から、紡績業に関するリサーチをベースに、カード形式の戯曲と、その戯曲をもとにしたサウンド・インスタレーション作品。
紡績業は、戦前から戦後にかけて日本の工業化を牽引した重要な産業であり、農業中心の社会から産業中心の社会への転換を支えました。浜松市では、江戸時代から続く蚕産業や綿花栽培をはじめ、豊田自動織機や鈴木商会による自動織機の開発、多数の紡績工場があった時代を経て、工業都市としての発展を支えてきました。しかし、東南アジアからの輸入品の増加や産業の重工業化に伴い、近年では稼働する工場が減少しています。
織物工場の娘として生まれた経験を持つ作者の祖母をはじめ、家庭を支えた女性、東北から出稼ぎに来た女工、家族や国に報いるべく働いた男性、織姫などの神話やお伽話の人物など、複数の語りとイメージを重ね合わせ、産業史の中にいた「存在」たちを声や動作、サウンドトラックで再生します。
【展覧会クレジット】
|主催|浜松市鴨江アートセンター(指定管理者:浜松創造都市協議会・東海ビル管理グループ) 2024年度浜松市鴨江アートセンター制作場所提供事業アーティスト・イン・レジデンス
|助成|公益財団法人川嶋みらい文化芸術財団
|フライヤーデザイン、広報美術|布谷麻衣
|声|神鳥伊吹
|什器制作|上杉陸
|取材協力(五十音順)| 池田充義 初生衣神社 桂川美帆 加藤次郎 桐生絹織(株) スズキ歴史館 髙田織布工場 トヨタ産業技術記念館 豊田佐吉記念館 永田嘉子 浜松学芸高校 藤浦悠菜 古橋織布有限会社 馬渕達也 -bon-(上杉友美・上杉陸)
【展覧会の資料】





